「うちの近くで、美味しいものが食べられるお店があったら、ぜひ教えてください」
同じ会社のRジーナさんに、そんなお願いをしてみたところ、
「実は気になってるお店があるんですよ」という返事。
そこは、小さな小さな、隠れ家のようなお店で、魚料理がおすすめなんだそうな。
ただし、11:00~17:00の間しか営業していないので、仕事のある平日は行くことができない。
「日曜日の12時半ごろ、行ってみましょう」
とんとん拍子に話が決まり、同じ職場のN口さんも含めて、3人で向かうことになった。
店の名前は「バール・ド・ブリリョージーニョ(Bar do Brilhozinho)」。直訳すると「光り輝くバー」である。
「たぶん、この路地だと思います」
そう言いながら、怪しげな路地に入っていくRジーナさん。
おぉ。これはまさに隠れ家だねえ。こんな路地の奥に店があるのか。
「あれっ? やってないのかな?」
先頭を進むRジーナさんが、そんな声をもらしたところへ、路地の奥のほうにたむろしていたおじさんから、
「ブリリョージーニョかい? その路地を右だよ」
みたいな言葉が(ポルトガル語で)投げかけられます。
ここを右って、これって路地なの?
家と家との間にあるのは、人ひとりが、やっと通れるかどうかぐらいの狭い通路。
あっ。通路の奥に、「Bar do Brilhozinho」と書かれた赤い看板が見える!
なんとねえ。ただでさえ隠れ家のような路地から、さらに人ひとり分の通路を進んだ先にあるお店とは。この店を目指してこない限り、絶対に来れないね。
「こんにちは(boa tarde、ボア・タージ)」
と入った店内は狭くて暗くて、天井からはいろんな小物がぶら下がっている。
その狭い空間に、4人掛けの小さなテーブルが5~6卓。といっても、かなりトリッキーに並べられているので、すべての席に4人座ることはできないだろうな。12人も入ると、もうとても窮屈(きゅうくつ)に感じそうな空間だ。
しかし、日曜日の昼過ぎというこの時間帯、他に客はおらず、我われ3人のみ。
店の息子さんらしい、若い男性が、厨房前の、そこが一番いい席らしいテーブルに案内してくれた。
奥の厨房から「いらっしゃ~い!」といった風情のニコニコ顔で現れたこの人が店の主人だな。事前に調べておいたウェブサイトの写真とおんなじ顔だ。
さらには奥さんらしき女性も現れた。店主夫妻と、その息子さんの家族3人で切り盛りしてるんだね。
店には書かれたメニューというのはないようで、店主ができるものを口頭で説明してくれる。
それをポルトガル語と日本語のバイリンガルであるRジーナさんが聞いて教えてくれた。
「今日は魚の料理と、海老(えび)の料理があるそうです。料理は全部3人前で、それぞれ100.00R$(3,717円)だそうですよ」
いやあ。あれこれあると迷うところだけど、2種類だけとは潔い。しかもすべてが3人前。3人で来て、ちょうどよかったね。
海老は他の店でもよく食べるので、魚を選択。飲みものはそれぞれジュースやコーラ、私はビールをもらいます。
あっという間に飲みものが出され、ライス(arroz、アホース)とピラォン(pirão)も登場。ほとんど待つこともなく今日の魚料理、ペイシャーダ(peixada)が出てきました。
これは速いっ!
こちらでは、ライスが出るときは、それと一緒にフェイジョン(feijão)という煮豆が出ることが多いのですが、魚料理のときにだけ、フェイジョン代わりにピラォンが出されます。
ピラォンは、魚介系のブイヨン(出汁)に、キャッサバ芋の粉を入れて練ったもの。
「水っぽいピラォンが多いのに、ここのピラォンは美味しい!」
とRジーナさん。たしかに、このピラォンは旨みが濃厚で、これだけでつまみになるぐらい。
ピラォンがうまいんだから、魚の煮ものは推して知るべしで、魚はもちろん、一緒に煮込まれた野菜も含めて、すっごくおいしい。
この店はカシャーサの品ぞろえもすばらしく、ビールのあとは、Rジーナさんおすすめの「ジェルマーナ(germana)」をいただきます。
名刀で切られると、切られたことに気づかないといいますが、このカシャーサもアルコール度数をまったく感じない。スッと喉(のど)を通っていきます。これは危ないなあ。気がつかないうちにスパッと切られてしまいそう。
そしてデザート(sobremesa、ソブリメーザ)は、自家製らしきゴイアバーダ(グアバの砂糖菓子)とバナナーダ(バナナの砂糖菓子)。ブラジルの料理は、料理自体には砂糖を使わないので、食後にガッツリと糖分を取るんですね。
満腹になってのお勘定は、3人で137.00R$(5,100円ほど)。ひとり当たり45.67R$(1,700円ほど)の楽しい昼食となりました。
朝食: ハムパン2個と青汁。昼食で、新しい店の開拓に向かう予定なので、朝は軽めにしておく。ブラジルのフランスパンは、そのまま食べてももちろん美味しいんだけれど、電子レンジで1分ほど温めると、ふんわりとなって、これもまた美味しい。
昼食: 同じ会社のRジーナさん、N口さんと3人で隠れ家のようなバールで魚料理をいただく。料理はすべて3人前で100.00R$(3,717円)。メニューはなくて、ご主人から口頭で伝えられる。魚とエビがあるというという話だったが、料理を食べ始めてから「伊勢エビもあったよ」とご主人。ちょっととぼけたところも、おもしろいなあ。ホテルのレストランで働いたあと、独立してこの店を開いたんだそうな。(本日のレート:37.17円/R$)
夕食: 週末(土日)の間に、1度ぐらいは日本風の米のごはんを食べなきゃね。冷奴と、大根とキュウリの塩こんぶ和えで一杯やったあと、豆腐、大根、もやしの味噌汁と、タクアン漬けをおかずに、できたての熱々ごはん。う~ん。ごはんがうまいのぉ。
アパートで朝食 |
怪しい路地に入り込んで |
さらに狭い通路の奥に |
隠れ家バールがあった |
まずはビールをもらう |
魚料理にはピラォン(pirão) |
ライス(arroz、アホース) |
ペイシャーダ(peixada) |
ジェルマーナ(germana) |
左3本がジェルマーナ |
高級ピトゥは300R$(約1万2千円) |
ゴイアバーダとバナナーダ |
アパートで晩酌 |
〆は熱々ごはんと味噌汁 |
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