2015年5月1日金曜日

イグアス・ツアー2日め(滝の真下に突入)


 「イグアスの滝」観光で、もっとも人気が高いのが、『アヴェントゥラ・ナウティカ(Aventura Nautica)』というボートツアー。

 両側にゴムボートのような細長い浮き袋を装着したスピードボートに乗って、「悪魔ののどぶえ」を下から眺めたあと、滝の真下に突入する。

 滝のあまりの勢いに、合羽なんてまるで役に立たず、全員がびしょ濡れだ。

 私もそうだけど、ほとんどの人が水着にTシャツの上に、救命胴衣を着けた姿。ビキニの上に救命胴衣というおねえさんもいる。

 船内に流れ込んだ水は、あっという間に船外に自然排出されるので、船内が水浸しになることはない。

 普通のカメラは使えないので、スマートフォンをジップロックに入れて撮影した。


 午前中の滝見学を終えて、昼食をとったら、トラックの荷台にずらりと座席が並んでいるような車で、ボートツアーの乗場へと向かう。


 車は、滝の上側に当たる場所から、スピードボートがある川岸まで、原生林の中の小道をゆるゆると下っていく。車にはガイドのおねえさんも乗っていて、スペイン語と英語で、このあたりの動物や植物について説明してくれる。


 車で下ること約30分。ボート乗り場に到着した。桟橋(さんばし)で防水袋をもらって、手荷物や靴など、濡れては困るものをその中に入れ、救命胴衣を装着する。


 全員が乗り込んだら、いよいよボートツアースタートだ。係員のおにいさんから、なるべく前に詰めて座るように、そして走りはじめたら席を移動しないようにという説明がある。

 滝に突入する前に、船がいったん停まるので、そのときまでは、カメラを使っても大丈夫とのこと。

櫓(やぐら)の上が運転席。下は係員のおにいさん

 説明が終わったら、いよいよ出航。けっこうなスピードだ。

 そして滝より下流側のイグアス川は、なだらかな水面ばかりかと思いきや、渓流のようなところもあって、そこを縫うように走るもんだから、お客さんたちも「キャーキャー」と大喜び。


 10分ほどで滝の下に到着。我われの前に出航したボートが、ちょうど滝の下に突入しているところだ。なるほど、我われも、もうちょっとするとあそこに突っ込むわけですね。あらかじめ心の準備ができるのがいい。

 そしていよいよ滝の下へ。

 滝の真下に来ると、呼吸ができない。腕の内側で、メガネが取れないように押さえ、両手はスマートフォンが流されないように必死になって確保。

 轟々(ごうごう)たる流れに逆らうのが精いっぱいで、まわりを見る余裕なんてまったくなかった。

 船を降りてから冒頭の動画を再生してみて、「なるほど、こんなことが起こってたのか」と、自分自身でも改めて認識したような次第です。

「どうだみんな! もう1回、行くぞ!」
「おぉ~~っ! 行け行けぇ~っ!」

 みたいなやり取りが繰り返されながら、スピードボートは次の滝へ、また次の滝へと突っ込んでいく。

 あまりに水流が激しくて、ジップロックに入れたスマートフォンの画面が、まるで見えない。そんなわけで、動画が撮れたのは、1回めの滝への突入だけで、2回め以降は、静止画すら撮ることができませんでした。残念!


 ボートは、乗ったところとは違って、滝の遊歩道で下船する。ここから遊歩道を登っていくと、午前中に上から眺めた滝を、今度は下から見ることができるのだ。

 間近に見える滝のカーテンが大迫力だ。

 この滝のカーテンの展望ポイントも、けっこう濡れるのだが、ボートで滝の真下に突っ込んだあとで、水着もTシャツもびしょ濡れなので、なんてことはない。スマートフォンだけ、濡れないようにガードしなきゃね。(水に弱いデジカメは、まだデイパックの中にしまい込んでいる。)


 公園の出口へと向かって歩くと、現れるのが「双子の滝」。ここがイグアスの滝の、アルゼンチン側の端っこだ。



 昨日の、ブラジル側の展望台があったところが、イグアスの滝のブラジル側の端っこ。そこから、上流側に切れ込んで「悪魔ののどぶえ」があり、そこからまた下流側へと滝がつらなって、最後にアルゼンチン側の端っこ、「双子の滝」に至るのである。

 遊歩道を登り切ったところに、売店やレストランがあり、ここのトイレで、ほとんどの人が着替えをする。私もここで普通の服に着替えた。

 イグアスの滝観光はこれで終了。ガイドの矢野さんの車で、ブラジル、アルゼンチン、パラグアイの3ヶ国の国境を目指す。


 地図の中で、赤い星のところが目指すポイント。イグアスの滝があるイグアス川は、この地点でパラナ川に合流する。そしてそのイグアス川とパラナ川の2本の川が、3ヶ国の国境となっているのだ。


 実際の国境の川は、こんな感じ。右奥がブラジル、右手前がアルゼンチン、そして左がパラグアイ。その合流地点を、水上オートバイが走っている。つまり水上オートバイで簡単に行き来できるほどの川幅しかないってことだ。


 その昔、パラグアイがブラジルに侵攻したことがあって、ブラジル、アルゼンチン、ウルグアイが三国同盟を結んでそれに対抗したんだそうな。これが、南アメリカで最も凄惨な戦争と言われていて、パラグアイ軍は全滅するまで戦ったのである。そのため、パラグアイの成人男性は、ほぼ全滅。その戦争が終わったあと、1903年に、改めてここに国境が定められたんだって。

 国境見学のあとは、今朝、わたってきた国境の橋を逆にわたってブラジルに再入国。午後6時に、ホテルに帰着した。

 朝の7時に出発してから11時間。長くて充実した1日は、実はこのあとも続くのである。

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