クスコ空港からホテルまで連れて行ってくれたガイドさんによると、クスコにはキリスト聖体祭(コルプス・クリスティ)のときにだけ食べる名物料理があるそうだ。
その料理の名前は「チリウチュ(chiriuchu)」という。
チリは「冷たい」、ウチュは「辛い」ということなんだって。
「冷たい」と言っても、冷しているわけではない。
作り置きした料理を、そのまま盛りつけて食べるから、「冷たい」とされているのだ。
日本の「おせち料理」のようなものだ。
そして盛りつける料理も決まっている。
海の幸、山の幸など、自分たちが日ごろ食べるものを幅広く盛り合わせて感謝する。
肉は、クイと呼ばれるテンジクネズミ(モルモット)、鶏肉、干し肉(牛肉)、そしてソーセージ。
海からはコチュユーヨという海藻と、魚卵。
それ以外にトウモロコシのグリル、トルティーヤ(トウモロコシ粉で作った薄焼きパン)、そしてロコト唐辛子がのっているが、全体として「辛い」という感じはしなかった。
我われが入った「ロス・サボレス・デル・インカ(Los Sabores del Inka)」のチリウチュには、炒めた豆(大豆っぽい)も入ってる。これが芳ばしくておいしい。
そのチリウチュに合わせてもらった飲み物は、お店のおねえさんおすすめの地ビール「クスケーニャ(Cusqueña)」だ。「クスケーニャ」という名前自体が「クスコ」ってことですもんね。この「クスケーニャ」は、その後もペルーにいる間じゅうずっと、とってもよく飲んだ。
なにしろ驚くのはクイ(テンジクネズミ)だよね。
丸ごと脂で揚げて、ズドン、ズドンと筒切りにしている。だから内臓も入ったままだし、手足も付いている。
内臓は黒々と、まるで焼きサンマの内臓のような感じ。
ちびっとつついてみたら、味もサンマの内臓などと同じく、ちょっと苦みがあってうまい。
もつマニアの私としては、この内臓を思いっきり食べてみたいところですが、そもそもクイの内臓は食べてもいいものなのかどうか。
このあたりがよくわからない。
サンマと同じように食べちゃったら、あとで店員さんに、
「あの日本人。クイの内臓を全部食べちゃったよ。大丈夫かねえ。お腹を壊さないかねえ」
なんてことになっても困る。この旅、まだ先は長いですからねえ。
そんなわけで、内臓はちょっといただくだけにしました。
翌日、日本語のガイドさんに、チリウチュを食べたこと、そしてその中にクイも入っていたことを話すと、
「クイも食べましたか。内臓が美味しかったでしょう! とにかくクイは、内臓がうまいんです!」とのこと。
ックゥ~ッ、しまったなあ。やっぱりあの内臓は食べてもいいものだったのか。というかむしろ、食べなきゃいけないものだったんだね。
次にクイを食べる機会があれば、絶対に内臓から食べようと心に決めたのだった。
チリウチュとビールで、お勘定は3人で100.00ソル(3,000円)、ひとり当たり33.33ソル(1,000円)ずつでした。
昼食はこのレストランで |
チリウチュの看板が出ている |
ペルーはスペイン語圏だ |
ビールは地元のクスケーニャ |
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