うな重(1,800円) |
レシフェ(ブラジル北東部の街)では、うなぎを出してくれるお店がないので、「うなぎを食べる」ということも、一時帰国で楽しみにしていたことのひとつでした。
今日は、うなぎ好きの面々たち(計8人)と一緒に、3台の車に分乗して「うな重一番」に向かいます。
うなぎの養殖場が直営する、昼だけの完全予約制のうなぎ屋さん。それが呉市安浦町にある「うな重一番」です。
「うな重一番」の店主・小谷義人さんは、兄の小谷智代登さんとともに、呉市を流れる広大川(ひろおおかわ)で稚魚(しらすうなぎ)をとってきて、それを安浦の水(野呂山の伏流水)で育てるという、「呉うなぎ」の養殖に成功。
兄の智代登さんは「小谷養鰻場」を、弟の義人さんは「小谷うなぎ養殖場」を経営するとともに、平成20(2008)年に、その養殖場の横に「うな重一番」を開店したのでした。
そんな「うな重一番」のメニューは、うな重(1,800円)、うな丼(1,000円)、かば焼き(時価)、白焼き(時価)の4品のみ。他には飲み物すらありません。(サービスの水とお茶はあります。)
時価となっている2品は、重さで値付けされる仕組み。うな重に使われるものより、はるかに大きくて、厚みがあるうなぎが出されて、1尾あたり2,500~2,900円といったところ。
なにが、どれだけいるか、ということも予約するときに申し出ておかなければなりません。
その予約に合わせて、数日前に調理するうなぎを養殖池からあげて、準備を始めるんだそうです。だから、その場での追加注文なんてのもできないんですね。
今回、私は、白焼き1尾と、うな重1つを事前予約して、きょうのこの日を迎えました。
まず出されるのは、どぉ~んと大きい白焼きです。
うな重用のうなぎと比べると、体長、横幅、身の厚みのそれぞれが倍ぐらいあって、このサイズで1尾が2,800円ほど。
呉も含む西日本エリアでは、うなぎは1尾丸ごとを開いて、その状態のまま、蒸さずに焼き上げます。
まず表面を焼きしめて、その内側の水分を閉じ込めた状態で焼き上げるので、外はパリッと香ばしく、中はふんわりとやわらかいという状態に仕上がるんですね。
そして、ここではその白焼きを、塩だけでいただくんです。
大きく育ったうなぎのうまみは濃厚で、蒸してないので身の脂分もたっぷりでジューシーです。
臭みなんてまったくありません。というか、芳ばしいその香りもまた、おいしさを増幅してくれます。これには余計な調味料は不要で、塩で食べるのが一番うまいっ!
あぁ~、ここで燗酒でもあると最高なんだけれど、残念ながらお酒は置いていません。持ち込みも禁止です。
白焼きを食べ終えたころ合いで、うな重に先駆けて、肝のたれ焼きが出されます。この肝も、我われが注文したうなぎのもの。さばきたての肝は鮮度抜群で、口の中でとろけます。
あぁ~、ここで……。
ダメとわかってても、やっぱりそう思ってしまうのが呑兵衛ですねえ。反省、反省。
そしていよいよ待ちに待った、うな重の登場です。
ックゥ~ッ! 見ただけでうまそうじゃ。かば焼きの香りがまたうまそうじゃ。
重箱の左下隅から順番に、うなぎとごはんを切り分けるようにしながら食べ進みます。
白焼きもうまいけど、かば焼きもまたうまい。そのタレのかかった熱々ごはんもいいねえ。
こういうのを食べると、改めて日本に生まれてよかったと思うよなあ。
ちなみに、うな重の場合は、この重箱にちょうど納まるサイズのうなぎを選ぶため、単品で注文する白焼き、かば焼きよりは、かなりサイズが小さいうなぎが使われます。
うな丼には、そのうな重用のうなぎが半尾分使われます。
単品の大きなかば焼きで、うな重を食べたい人は、予約するときに「単品のかば焼きをのせた、うな重にしてください」と注文することも可能で、そういう人も多いんだそうです。
また、ごはんの大盛りも、予約時に申し出ておけば可能です。
とにかくいろんなものを、その場で追加するということはかなり難しいので、予約のときに必要なものをたのんでおくことが重要なんですね。
最後にお店から出してくれるフルーツをいただいて〆。どうもごちそうさま。
今回もまた、大満足、大満腹で店を後にしたのでした。
・店情報 (前回)
《平成26(2014)年12月14日(日)の記録》
「うな重一番」 |
目の前が養殖池 |
塩でいただく白焼き |
身が厚くてプリップリ |
肝のたれ焼き |
うな丼(1,000円) |
うな重(1,800円) |
フタを開けると! |
最後にフルーツ |
店内のメニュー |
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