私にとって肉うどんは、故郷・松山(愛媛県)の味だ。
松山の味というよりも、きっと私が生まれ育ったわが家の味なんだろうな。
牛肉を、細く刻んだ油揚げと一緒に甘辛く炒め煮し、うどんの上に、汁ごとトッピングする。甘みが大きなポイントだ。
おとなりの香川県の讃岐うどんは、しっかりとしたコシが有名だが、松山のうどんはコシはなくて軟らかい。ほとんど噛まなくていいほど。
今でも残っている昔ながらの松山うどんの典型は、「アサヒ」や「ことり」で出される鍋焼きうどんだ。これらもまた甘い。
この生まれ育ったわが家の味を、うちのカミサンが覚えて帰り、それを東京でも手に入りやすい食材で作れるように徐々に変更を加えて、現在に至っている。
現在のわが家の肉うどんは、豚肉と油揚げでできていて、甘みは少し抑え気味。麺はさぬきの冷凍麺なので、しっかりと腰がある。
最後に生玉子を落としてもらうのは、玉子好きの私流だ。
たくさん飲んだ翌朝でも、この肉うどんならば、スルッと美味しく食べることができるのである。
0 件のコメント:
コメントを投稿