2015年10月31日土曜日

ウユニ塩湖の塩平線


 さあ、いよいよウユニ塩湖(Salar de Uyuni、サラル・デ・ウユニ)である。

 見わたす限り、塩、塩、塩、塩、………。

 はるか彼方には、水平線、地平線ならぬ、塩平線が見える!

 ウユニ塩湖の大きさは約120km×約100km。面積にして約1万2000km²。

 琵琶湖の大きさが約63km×約23km、面積が約670km²だから、ウユニ塩湖はなんと琵琶湖18個分もの大きさなのである。

 瀬戸内海だって約450km×15~55km、面積が約2万2000km²なので、その半分以上の大きさの湖ってことだ。

 しかもそれがすべて塩に覆われているというんだから、ものすごい。その量、約20億トンだって!

 さらにすごいのは、その高低差。こんなにも広い塩湖全体の高低差が50センチしかないんだそうな! つまりここは「世界でもっとも平らな場所」なのである。

 こんな塩の平原が富士山ぐらいの高さのところに広がってるんだから、おもしろいよなあ。


 さっきまでガタガタ道を走っていたのに、急に車がまったく揺れなくなったと思ったら、そこがウユニ塩湖だった。

 塩湖の入口近くには、高さ1mほどの塩の山がいくつも作られている。

 食用の塩を作るために、塩湖の表面の塩を削り取って山積みし、乾燥させているんだそうな。


 塩の山を見たあとは、湖のちょうど中央にあるインカ・ワシ島(Isla Inca Washi、イスラ・インカ・ワシ)を目指して走る走る走る。

 時速100キロ以上の速さで走ってるんだけど、まわりに見える景色はちっとも変わらない。


 車の右側(北方向)に見えているのは、ウユニ塩湖と切っても切り離せないトゥヌパ火山(Volcán Tunupa、ヴォルカン・トゥヌーパ)だ。

 数百万年前にアンデス山脈が隆起したとき、大量の海水が、そのまま山の上に取り残された。この海水が太陽の光と、火山の熱で乾燥し、塩湖になったのである。

 ウユニ塩湖に入ってしまうと、まわり中、見わたす限り真っ白な塩原なので、方向が分からなくなってしまう。

 地元の人たちは、このトゥヌパ火山や、クスコ火山(ペルーのクスコとは無関係)、クスーニャ火山などを目印にしながら、自分が進んでいる方向を見極めるんだそうな。

 瀬戸内海の漁師さんが、島や山を目印に方向を知るのと同じようなものなんだろうな。

 ちなみに地元では、トゥヌパ火山とクスコ火山は夫婦と言われている。トゥヌパが女性で、クスコが男性。

 トゥヌパが妊娠しているときに、クスコは、愛人クスーニャ(=クスーニャ火山)と仲良くなった。

 トゥヌパが産んだ子はすぐに亡くなり、トゥヌパは嘆き悲しんだ。

 ウユニ塩湖は、トゥヌパの流した涙と母乳からできているというのが地元の伝説なんだって。

 だから地元ではこの湖は、ウユニ塩湖ではなくて、トゥヌパ塩湖(Salar de Tunupa、サラル・デ・トゥヌーパ)と呼ばれている。


 なにも景色が変わらない塩原を、時速100キロ以上で1時間以上走ったころ、遠くにポツンと島が見えてきた。あれが目指すインカ・ワシ島なんだという。

 みんなが同じ道を走るから、塩湖の上にはなんとなく轍(わだち)ができているが、ここが道というわけではない。

 この轍からはずれたところを走っても、舗装道路を走るよりも滑らかなぐらい、スムーズに走れるのである。つまり塩湖の中は、どこでも自由に走り回れるってことですね。


 これまで塩平線しかみえなかったところに、ポツンと黒いインカ・ワシ島が見え始めてからは、走るにつれて、その島の姿がどんどん大きくなってきた。

 その島の、右端に突き出した岬を回り込むと……。


 インカ・ワシ島の駐車場に到着。まるで、島の港に小舟で入っていくような感覚だ。

 そして、ちょうどここでランチタイムである。

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