2015年9月4日金曜日

カシャーサとブラジル・レモン


 ブラジルの酒、カシャーサ(cachaça)は、サトウキビから作られる蒸留酒で、アルコール度数は40度ぐらいある。

 カシャーサにはいろんな呼び方がある。

 まずリオデジャネイロでの呼び方が「カシャーサ」で、これがブラジル全土での共通語になっている。

 サンパウロでは「ピンガ(pinga)」と呼ぶ。

 ピンガは、カシャーサの中でも生産量がもっとも多い「51(シンクェンタ・イ・ウン)」を製造している会社の名前だ。

 この「51」を、サントリーが輸入販売していることから、日本ではカシャーサのことをピンガと呼ぶ人が多いようだ。

 公園の屋台「シュハスキーニョ・バイアーノ(Churrasquinho Baiano)」のメニューには、カシャーサのことは「カニーニャ(caninha)」と書いてある。

 他にも「アグアルディエンテ・デ・カニャ」とか、「シュガー・ケーン・ブランデー」、「アグア・ブランカ」、「アグア・マルーカ」など、100以上の呼び名があるらしい。

 そのカシャーサと切っても切れない存在なのが、ブラジル・レモンだ。

 小さくて緑色のこのレモンは、酸味が強くて、甘味は少ない。

 ブラジルでは、単にレモン(limão、リマォン)と言えばブラジル・レモンのことを指す。

 たとえばウィキペディア(ネット上のフリー百科事典)で「ブラジル料理」を検索すると、その「主要食材」のひとつとして、牛肉や豆、ココナッツなどと並んで「レモン」とあるぐらい、ブラジルでは主要な食材なのだ。

 しかも1kg(12~13個ぐらい)あたり、2.00~3.00R$(60~100円)、つまり1個あたりだと5~8円ほどと、その値段も爆発的に安いので、気楽に使えるのがうれしい。

 このブラジル・レモンを半個~1個分、カシャーサに搾り入れると、40度あるはずのカシャーサが、ぐんと飲みやすいお酒に変身する。

 カシャーサとブラジル・レモンがあれば、ブラジルを代表するカクテル、カイピリーニャ(caipirinha)だって簡単に作ることができる。

 その作り方はこうだ。

 まずグラス(できればロックグラス)に、皮ごとぶつ切りにしたブラジル・レモン2個を入れる。

 甘いの(=普通のカイピリーニャ)がいい人は、砂糖大さじ1杯を加える。

 呑兵衛のみなさんには、砂糖なしをおすすめする。

 砂糖の甘みは、強いお酒の飲みやすさを増大させるが、呑兵衛にはその甘さが、かえって邪魔になるのだ。

 そして、すりこぎのような棒で、ギュッギュッと押して、レモン汁を搾り出す。

 カシャーサを、コップの8分目ぐらいまで注いで、氷を入れ、マドラーで混ぜたらできあがり。

 ちなみにカシャーサは無色透明の安いもののほうがいい。(琥珀色をした高級カシャーサは、それ自体に味わいも香りもあるため、そのまま楽しんだほうがいいようだ。)

 カシャーサとブラジル・レモンで作ったこのカイピリーニャ。日本でも飲むことができる「ライムで作ったカイピリーニャ」とは、ひと味も、ふた味も違いますよ!


朝食: 牛干し肉煮(charque à brejeira、シャルキ・ア・ブレジェイラ)、クスクス(cuscuz)、キャッサバ芋(Macaxeira、マカシェイラ)、ハムパン(pão com mortadela、パン・コン・モルタデーラ)、パパイヤ(mamão、ママォン)、カフェオレ(café com leite、カフェ・コン・レイチ)。おぉ、久しぶりのマカシェイラ(キャッサバ芋)だ。しかも主菜はシャルキ(牛干し肉)。どっちも好物で朝からうれしいなあ。

昼食: 牛もつ煮込み(dobradinha、ドブラジーニャ)、ライス(arroz、アホース)、スパゲティ(macarrão espaguete、マカホン・エスパゲッチ)、サラダ(salada)、スイカ(melancia、メランシア)、カシュー・ジュース(suco de caju、スーコ・ジ・カジュー)。今日の昼食はドブラジーニャ。ドブラジーニャというポルトガル語は、ダブルとか、二重という意味。胃袋の構造が、内壁と外壁の二重構造になっていることから、牛の胃袋を煮込んだこの料理を「ドブラジーニャ(二重)」と呼ぶようになったようだ。その具材は、牛の胃袋だけではなくて、ブラジル・ソーセージや白豆などもたっぷりと入っている。感覚的には「白いフェイジョアーダ」といったところだろうか。

夕食: 今夜もカシューナッツとビールでスタート。このところビールはずっと「ボヘミア(Bohemia)」の小瓶を飲んでたんだけど、今日はブラジルキリンの「デヴァッサ(Devassa)」ロング缶。明日から三連休なので、今夜は気楽に飲めるんだ。四日前(月曜日)に作った、チンゲン菜とセロリのスープも、残りあと1食分のみ。そのスープで、ビールも飲み干して、続いてはカシャーサ「ピトゥ(Pitú)」の青汁割りで、朝のハムパン2個。最後にもう1杯、ブラジル・レモンを1個搾り入れた「ピトゥ」で〆とした。

社員食堂の朝食
牛干し肉煮
社員食堂の昼食
牛もつ煮込み(ドブラジーニャ)
調味料持参の人もいる
夜はビールとカシューナッツから
野菜スープは、これで終了
ピトゥの青汁割りでハムパン2個

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