2015年6月20日土曜日

朝からアキ・アゴーラ!

カシャーサにはブラジル・レモンだ!

 赤道に近い、常夏のレシフェ(ブラジル北東部の州都)では、1年じゅう、朝の5時半ごろに夜が明ける。

 太陽が垂直に昇ってくるので、朝焼けなんて、ほんの15分ほどしか見られず、あっという間に昼間と同じような強烈な陽射しになるのである。

 そんな強烈な陽射しで目覚めて、日本から来てくれた酒友(しゅゆう)たちと、アパートのすぐ近くにあるリゾートビーチを散策する。

 このビーチは南北に8キロほど続いていて、砂浜をのんびりと歩くこともできるし、砂浜に沿ってほぼ直線状に作られた遊歩道をジョギングすることもできるのである。

 しばらく歩いたあと、ビーチから上がると、そこが若鶏炭火焼きの「ガレート・ペキン(Galeto Pekin)」。

 その「ガレート・ペキン」は午前9時の今、ちょうど開店したばかり。我われ3人は、口開け第1号の客として、カウンターの角に陣取って、まずは「ボヘミア(Bohemia)」(大瓶ビール、8.00R$、約320円)で乾杯である。

「朝食なので、軽くね!」

 と言いながら、まずは手羽焼き(1本1.00R$、約40円)を12本(ひとり当たり4本)もらう。

 ところがである。飲み始めると止まらないのが呑兵衛(のんべえ)の性(さが)ですねえ。

 ビールを次々におかわりして、「若鶏焼きももらいますか」、「ブラジル・ソーセージももらいますか」と、朝からすでに本格的な飲み会である。

「ええいっ! ブラジルではアキ・アゴーラだ! 思いっきり飲みましょう!」

 ついにはカシャーサまでも注文した。

 さて、『アキ・アゴーラ』。ポルトガル語で、アキ(aqui)は「ここ」、アゴーラ(agora)は「今(いま)」という意味だ。

 ブラジル北東部の人たちは、「今、ここで」できることに集中する。後先(あとさき)のことは考えない。

「明日のことなんて、神さましか知らないさ」という考え方なのである。

 なにしろここレシフェは、日本と違って、季節の移(うつ)ろいがなく、年中が夏。

 しかも、地震もなければ、台風もこない。

 明日も必ずといっていいぐらい、今日と同じような日がやってくるのである。

 芋や果物はほっときゃできるし、牛も鶏もいる。その辺で寝てても絶対に凍死することはない。

 そうなると人は、「明日でもいいことは、明日やればいいさ。先のことなんて考えずに、今は、ここでできることを楽しもう!」という、楽な方向へ、楽な方向へと流されてしまうのである。

 これこそがブラジル北東部伝統の『アキ・アゴーラの文化』(←日本人社員のN岡さんが命名)なのだ。

 我われ3人も、そのアキ・アゴーラの精神にのっとって、朝からヘロヘロになるまで飲みに飲んだ。

 あぁ、これでもう昼間は使いものにならないな。

 でもいいんだ。これがブラジルの文化だ!

 今このときを、思いっきり楽しくいこうじゃないか!!

朝から浜辺を散歩して
口開けの客で「ガレート・ペキン」へ
まずは手羽焼きでビール
若鶏半身焼き(720円ほど)
ブラジル・ソーセージ
11時過ぎにやっと店を出る
ブラジル・レモンは1キロが80円ほど

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