2015年12月1日火曜日

フランクフルト経由で日本へ


 レシフェ時間の午前5時。リオデジャネイロを飛び立った飛行機が、スペイン上空に差しかかったところで朝食である。

 オムレツかパンケーキかが選べるところを、オムレツ(マッシュルーム入り)のほうを選択。飲み物はオレンジジュースとコーヒーだ。


 そしてレシフェ時間の午前6時20分(現地時刻は午前10時20分)、予定どおりにフランクフルト空港に到着。

 ルフトハンザからルフトハンザへの乗り継ぎの場合、乗り継ぎを案内してくれる人が(サービスで)来てくれるのだけれど、今回はルフトハンザから全日空(ANA)への乗り継ぎなので、案内人はいない。

 しかも乗継時間は1時間10分。リオデジャネイロ空港と同じように、先を行く人を追い越しながら、前へ前へと進んでいくと、ANAへの乗り継ぎは同じターミナル内で、しかもかなり近いところだった。

 ここでもまた、あっという間に手荷物検査も終えて、すぐに搭乗ゲートへ。


 出発まであと1時間ほど残っているので、リオでもそうだったように、フランクフルトでもビジネスラウンジで過ごすことができた。

 しかも、このANAへの乗り継ぎラウンジにはシャワー室がある。(ルフトハンザへの乗り継ぎのときはシャワー室がないのだ!)

 これはありがたいなあ。ブラジルから日本に行く直行便はなくて、ドイツ経由でも、アメリカ経由でも、ドバイ経由でも、ほぼ12時間×2回の空路となる。

 12時間乗ったあと、次の12時間前の間にシャワーを浴びることができるほどうれしいことはない。


 ゆっくりとANAの日本行きの便へと乗り換えると、定刻の午前11時半(レシフェ時間の午前7時半)にフランクフルト空港を出発。


 おそらく初めて乗るANAの国際線。これまで1年半ほどブラジルですごしていたからか、CAのおねえさん(日本人女性)たちが、ものすごく華奢(きゃしゃ)で、かわいく見える。


 そんな機内での食前酒には、ANA日本酒アドバイザーでもある太田和彦さんが選んだ広島は呉の地酒、「寳剱(ほうけん) 純米吟醸 八反錦」をいただく。


 まず出された和洋共通のアミューズは、パテ・ド・カンパーニュとオレンジのカナッペ風、クリームチーズのプンパニッケルサンド、そしてオリーブとほおずき。


 欧州からの帰国便なので、料理は洋食を選ぼうかと思っていたのだが、飲み物の「寳剱」に合わせて、料理も和食にすると、その前菜は、ぬた和え、フォアグラ寄せ、貝柱松風、数の子などの盛り合せと、鶏つくねと野菜の炊き合わせ、そしてスモークサーモンと帆立貝の黄身酢がけである。

 少量ずつ数多く。これが和食の神髄ですね。

 「一品一品を(残すほどに)たっぷりと!」というブラジルなどの食文化とは、まるで違う方向性。

 ちまちまと味わいが変わるから、お酒が進んで仕方がない。


 そして「二の膳」(主菜)は、カレイ竜田揚げの野菜あんかけに、ごはん、みそ汁、お漬物。

 ここでもまず、カレイ竜田揚げをつまみにじっくりと飲む。


 そのカレイ竜田揚げを食べ終えてから、残しておいたごはん、みそ汁、漬物で〆とする。

 『大衆食堂のフルコース』ならぬ、『国際線機内和食のフルコース』だね。

 「寳剱」は、ひとりで4合瓶を空(あ)けちゃうぐらい、たくさん飲んだ。「寳剱」も料理も、それだけ飲めるぐらい美味しかった。


 食後にデザート(パッションフルーツムースまたはチョコレートケーキ)が出されるのだが、それはパスして、サントリーウイスキー「響(ひびき)17年」をロックでもらって、今日の昼食を締めくくった。


 この時点で、レシフェ時間で朝の10時、ドイツ時間では昼の2時、そして日本時間では同じ日の夜10時だ。

 地球の自転に対抗する方向に飛ぶので、これからあっという間に夜になって、約8時間後、日本に着くちょっと前に、夜明けを迎えるのである。

 まだまだ先は長いぞ!

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