2015年3月22日日曜日

隠れ家バールで魚料理


「うちの近くで、美味しいものが食べられるお店があったら、ぜひ教えてください」

 同じ会社のRジーナさんに、そんなお願いをしてみたところ、

「実は気になってるお店があるんですよ」という返事。

 そこは、小さな小さな、隠れ家のようなお店で、魚料理がおすすめなんだそうな。

 ただし、11:00~17:00の間しか営業していないので、仕事のある平日は行くことができない。

「日曜日の12時半ごろ、行ってみましょう」

 とんとん拍子に話が決まり、同じ職場のN口さんも含めて、3人で向かうことになった。

 店の名前は「バール・ド・ブリリョージーニョ(Bar do Brilhozinho)」。直訳すると「光り輝くバー」である。

「たぶん、この路地だと思います」

 そう言いながら、怪しげな路地に入っていくRジーナさん。

 おぉ。これはまさに隠れ家だねえ。こんな路地の奥に店があるのか。

「あれっ? やってないのかな?」

 先頭を進むRジーナさんが、そんな声をもらしたところへ、路地の奥のほうにたむろしていたおじさんから、

「ブリリョージーニョかい? その路地を右だよ」

 みたいな言葉が(ポルトガル語で)投げかけられます。

 ここを右って、これって路地なの?

 家と家との間にあるのは、人ひとりが、やっと通れるかどうかぐらいの狭い通路。

 あっ。通路の奥に、「Bar do Brilhozinho」と書かれた赤い看板が見える!

 なんとねえ。ただでさえ隠れ家のような路地から、さらに人ひとり分の通路を進んだ先にあるお店とは。この店を目指してこない限り、絶対に来れないね。

「こんにちは(boa tarde、ボア・タージ)」

 と入った店内は狭くて暗くて、天井からはいろんな小物がぶら下がっている。

 その狭い空間に、4人掛けの小さなテーブルが5~6卓。といっても、かなりトリッキーに並べられているので、すべての席に4人座ることはできないだろうな。12人も入ると、もうとても窮屈(きゅうくつ)に感じそうな空間だ。

 しかし、日曜日の昼過ぎというこの時間帯、他に客はおらず、我われ3人のみ。

 店の息子さんらしい、若い男性が、厨房前の、そこが一番いい席らしいテーブルに案内してくれた。

 奥の厨房から「いらっしゃ~い!」といった風情のニコニコ顔で現れたこの人が店の主人だな。事前に調べておいたウェブサイトの写真とおんなじ顔だ。

 さらには奥さんらしき女性も現れた。店主夫妻と、その息子さんの家族3人で切り盛りしてるんだね。

 店には書かれたメニューというのはないようで、店主ができるものを口頭で説明してくれる。

 それをポルトガル語と日本語のバイリンガルであるRジーナさんが聞いて教えてくれた。

「今日は魚の料理と、海老(えび)の料理があるそうです。料理は全部3人前で、それぞれ100.00R$(3,717円)だそうですよ」

 いやあ。あれこれあると迷うところだけど、2種類だけとは潔い。しかもすべてが3人前。3人で来て、ちょうどよかったね。

 海老は他の店でもよく食べるので、魚を選択。飲みものはそれぞれジュースやコーラ、私はビールをもらいます。

 あっという間に飲みものが出され、ライス(arroz、アホース)とピラォン(pirão)も登場。ほとんど待つこともなく今日の魚料理、ペイシャーダ(peixada)が出てきました。

 これは速いっ!

 こちらでは、ライスが出るときは、それと一緒にフェイジョン(feijão)という煮豆が出ることが多いのですが、魚料理のときにだけ、フェイジョン代わりにピラォンが出されます。

 ピラォンは、魚介系のブイヨン(出汁)に、キャッサバ芋の粉を入れて練ったもの。

「水っぽいピラォンが多いのに、ここのピラォンは美味しい!」

 とRジーナさん。たしかに、このピラォンは旨みが濃厚で、これだけでつまみになるぐらい。

 ピラォンがうまいんだから、魚の煮ものは推して知るべしで、魚はもちろん、一緒に煮込まれた野菜も含めて、すっごくおいしい。

 この店はカシャーサの品ぞろえもすばらしく、ビールのあとは、Rジーナさんおすすめの「ジェルマーナ(germana)」をいただきます。

 名刀で切られると、切られたことに気づかないといいますが、このカシャーサもアルコール度数をまったく感じない。スッと喉(のど)を通っていきます。これは危ないなあ。気がつかないうちにスパッと切られてしまいそう。

 そしてデザート(sobremesa、ソブリメーザ)は、自家製らしきゴイアバーダ(グアバの砂糖菓子)とバナナーダ(バナナの砂糖菓子)。ブラジルの料理は、料理自体には砂糖を使わないので、食後にガッツリと糖分を取るんですね。

 満腹になってのお勘定は、3人で137.00R$(5,100円ほど)。ひとり当たり45.67R$(1,700円ほど)の楽しい昼食となりました。


朝食: ハムパン2個と青汁。昼食で、新しい店の開拓に向かう予定なので、朝は軽めにしておく。ブラジルのフランスパンは、そのまま食べてももちろん美味しいんだけれど、電子レンジで1分ほど温めると、ふんわりとなって、これもまた美味しい。

昼食: 同じ会社のRジーナさん、N口さんと3人で隠れ家のようなバールで魚料理をいただく。料理はすべて3人前で100.00R$(3,717円)。メニューはなくて、ご主人から口頭で伝えられる。魚とエビがあるというという話だったが、料理を食べ始めてから「伊勢エビもあったよ」とご主人。ちょっととぼけたところも、おもしろいなあ。ホテルのレストランで働いたあと、独立してこの店を開いたんだそうな。(本日のレート:37.17円/R$)

夕食: 週末(土日)の間に、1度ぐらいは日本風の米のごはんを食べなきゃね。冷奴と、大根とキュウリの塩こんぶ和えで一杯やったあと、豆腐、大根、もやしの味噌汁と、タクアン漬けをおかずに、できたての熱々ごはん。う~ん。ごはんがうまいのぉ。

アパートで朝食
怪しい路地に入り込んで
さらに狭い通路の奥に
隠れ家バールがあった
まずはビールをもらう
魚料理にはピラォン(pirão)
ライス(arroz、アホース)
ペイシャーダ(peixada)
ジェルマーナ(germana)
左3本がジェルマーナ
高級ピトゥは300R$(約1万2千円)
ゴイアバーダとバナナーダ
アパートで晩酌
〆は熱々ごはんと味噌汁

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